この度は、お昼寝しない子供の寝かしつけ方について考察していきますが、そもそも子供にとって何故お昼寝が大事なのでしょうか。それは年齢によっても大きく異なってくる事が分かっています。
特に、成長の手助けとなるホルモンを睡眠中に多く分泌する幼児期は、お昼寝の重要性が増してきますので、寝やすい環境を整えてあげることが大切なのです。
お昼寝の重要性とは?
冒頭でも申し上げましたが、お昼寝は子供の成長のために、大変重要であるということが分かっているのです。特に小さな子供は、まだ体力が十分ではないので、お昼寝をする事で消耗した体力を回復させています。
そのメカニズムに関連しているのが、メラトニンというホルモンです。メラトニンというホルモンは子供の成長を手助けするための大切な物質であり、免疫力の向上をもたらします。そして、このメラトニンは幼児期における睡眠時に、とても多く分泌されるものなので、幼児期のお昼寝は非常に重要な役割を果たしているという事が明らかなのです。
幼児期に必要な睡眠時間は、概ね1日に10時間から14時間と言われています。10時間以上の睡眠を確保出来ているのであれば、何ら心配する必要はありません。
お昼寝をしない子供
0歳の頃から寝るのが苦手な子もいます。そういった子は、お昼寝もなかなかしたがらない事が多いです。お昼寝がスムーズにできない理由の一つに、日中の時間帯にあまり疲れていないという事があります。
家の中で体を動かさない遊びなどをしていると、さほど疲れることなく体力が余ってしまい、お昼寝ができない要因となってしまうのです。そのため日中は出来る限り外に出て太陽の日を浴びて、たくさん体を動かす遊びをすることで、疲れて眠りやすくなります。
何歳まで、お昼寝は必要?
生後6ヶ月頃までは、お昼寝という時間的区切りとしての感覚はなく、必然的に寝ている時間が多くなります。生後6ヶ月頃を過ぎると昼と夜を認識するようになってくるので、午前と午後にお昼寝をするようになるのです。
これが1歳を超えてくると午前のお昼寝がなくなり、午後にお昼寝をするようになります。2歳までは1歳と同様に、午後のお昼寝をする子供が多いようです。1歳や2歳の子供の最適なお昼寝の時間は、1時間半から2時間程と言われています。
しかし、あまり長くお昼寝をしてしまうと、夜なかなか眠れなくなる子がいます。そういった場合には、お昼寝の時間を短くするなど、状況に合わせて調整していきましょう。
そして、3歳になる頃には、お昼寝をしない子供も多くなってきます。保育園に通っている子供はお昼寝の時間が設けられていますが、保育園に通っていない子は、通っている子と比べれば疲れる事が少ないため、なかなかお昼寝ができないケースが多くなってくるのです。
3歳の最適なお昼寝の時間は、1時間程度と言われています。少ないお昼寝でも体や脳を休める事ができてくるのです。そして4歳・5歳になると、殆どの子供がお昼寝をしなくなります。
幼児期のお昼寝は、 とても重要だという事がお分かりいただけたと思いますが、幼児期を過ぎると子供によって寝る子と寝ない子の個人差があったり、保育園に通っているか、いないかでも変わってきます。
お昼寝ができないのであれば、夜寝る時間を早くするなどして、1日の取るべき睡眠時間をしっかり確保してあげることで対処しましょう。
寝ない子供の寝かし付け方
1.寝やすい環境作り
部屋の温度と明るさを適切な状態に調節しておきます。暑すぎたり寒すぎたりすると体調を崩してしまうので、温度計を見て心地よいとされる適温に調節しましょう。そして、部屋は薄暗くした方が眠りにつきやすくなります。
2. お昼寝前にテレビなどの画面を見せない
テレビや携帯のブルーライトは、脳が刺激され睡眠の質の低下に繋がる恐れがあると言われています。そのため寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりするので、お昼寝の前にテレビ画面などを見せるのは極力避けるようにしましょう。
3.オルゴールをかける
優しくゆったりしたオルゴールを流すと、心と体がリラックスし、穏やかな気持ちになれます。子守歌でも同様のリラックス効果が期待できます。心地よい音でリラックスする事によって入眠しやすくなるのです。更に、オルゴールには周波数の関係でホルモンの分泌促進や免疫力を高める効果があると言われています。
4. 無理やり、お昼寝を押し付けない
お昼寝を嫌がる時は、無理に寝かし付けをする必要はありません。あまり疲れていない日は仕方ないと思って子供に合わせてあげる事も大切です。
5. 添い寝をする
人の体温や、心音を直に感じることで、子供は安心して眠りやすくなります。従って、添い寝をして子供の呼吸と同じタイミングで寝息を囁(ささや)いてあげると、眠気を誘われて寝やすくなります。
6.子供に触れる
呼吸に合わせてトントンをしたり、手を握ったり、頭を撫でたり触れてあげる事で子供は安心するので、眠りにつきやすくなります。優しく触ってあげましょう。
7. 生活リズムを整える
生活リズムが狂っていると夜寝る時間が遅く、朝起きるのも遅くなり、お昼寝がうまくできない事に繋がってしまいます。夜寝る時間、朝起きる時間をしっかり決めて、毎日できる限り同じ時間で寝る事ができるようになると、お昼寝がうまく出来るようになり、時間も決まってきます。
幼児期のお昼寝に関する注意点
・うつぶせ寝
小さい子供がうつぶせで寝ていると、窒息死や乳幼児突然死症候群(SIDS)という突然死を引き起こしてしまう可能性があると言われています。
しかし、乳幼児突然死症候群の原因は、はっきりと分かっている訳ではありません。とはいえ、うつぶせ寝になっている時の方が、突然死の発生率が高い事が分かっています。そのため子供がうつぶせ寝になっていないかを注意して監視する事が大切です。