夏になると耳にする「暑気払い」、あなたは、やったことがありますか?「暑気払い」とは、暑い夏に冷たい食べ物や飲み物、体を冷やす効果のある食品や漢方で、体にこもった熱を取り除こうとすることをいいます。
「暑さをうち払う」という意味があり、夏の暑さに疲れた心と体を元気にしようというものです。年々夏の暑さは厳しさを増し、人の体温以上の気温になる日もあります。暑さによりダメージを受けた体は、体力だけでなく気力も失われていきますよね。
では実際、いつどんなことを行うものなのでしょう?それは簡単です!暑さを感じはじめた時、体をクールダウンさせる食品をとればいいのです。
暑気払いにピッタリ!夏野菜と夏ドリンク!!
トマト・きゅうり・ナス・スイカといった夏が旬の野菜には水分やカリウムが多く含まれています。汗で失ってしまう水分を補い、体を内側からクールダウンしてくれます。
みずみずしいトマトやきゅうりは、そのまま食べてもとても美味しく、暑い日のおやつにもオススメです。ほかにも、とうもろこし・オクラ・ズッキーニ・枝豆等、栄養が豊富で夏バテ予防にもなる食材がたくさんあります。
6月〜7月にかけて収穫される「麦」にも、体を冷やす効果があります。暑い日の冷えたビールやそうめんは、夏の定番です!ただし飲み過ぎにはご注意ください。適量を楽しみましょう!
近年、夏でも多く飲まれるようになった甘酒も、栄養価が高く、疲労回復や熱中症予防、美容にもオススメです。“飲む点滴”“飲む美容液”などと呼ばれています。人々の間で「暑気払い」が行われるようになった江戸時代にも飲まれていて、京都や大阪では夏の飲み物としてとても人気でした。
江戸時代の夏の平均気温が、今より低かったことが想像できます。しかし、それでも夏は暑いもの。この時代の人々はどのように暑気払いを行っていたのでしょうか?
江戸時代の暑気払いとは?
江戸の川柳に「枇杷(びわ)と桃 葉ばかりながら 暑気払い」という句が残っています。「本来、実を食べるはずの、びわや桃の葉ばっかりで申し訳ないが、ここはひとつ暑気払いでも」という意味があります。川柳に出てくるように、びわの葉を煎じた「びわの葉茶」が暑気払いとして、江戸(東京)や大阪で売られていました。
「びわの葉」には体を冷やす効果があり、また食中毒の予防としても役に立つと言われており、現代でも健康茶として親しまれています。利尿作用もあり、むくみをとってくれるのでダイエットにも最適です。
漢方では「枇杷葉湯(びわようとう)」と呼ばれています。上方(京都)や関東では、本直し(みりんに焼酎を加えたもの)が飲まれており「柳蔭(やなぎかげ)」「直し(なおし)」と呼ばれていました。暑い夏を乗り切るために「薬を飲んで暑気を払う」という意味合いで、暑気払いが行われていたようです。
まとめ
「暑気払いに一杯どう?」なんてお誘い受けたことはありませんか?今ではすっかり宴会や飲み会のイメージがついていますよね。生活が進歩し、エアコンなどの普及が進んだ現代では、夏の暑さへの対処法は多様化しつつあります。
体の元気より、むしろ心の元気を取り戻すことに重点を置き、ストレス解消を目的としていることが多いのでしょう。(快適に過ごせるがゆえに、逆に暑さに弱くなっている面もありますが…)ただ、コロナ禍の今、なかなか「みんなでパーッと宴会!」というわけにはいきませんでした。しかし、ようやくコロナ騒動も収まったことから、これまでの鬱憤が一気に噴き出してくることでしょう。
“旬の食材を旬の時期に”
夏には、暑さに疲れた体を元気にしてくれる食材がたくさんあります。体が健康でなければ、心の健康を保つのも大変。普段の日常に戻った今、栄養たっぷりの夏野菜で「暑気払い」をして、今年も猛暑を乗り切りましょう!
以上、参考になりましたら幸いです。